
◆南部 忠平
日本の陸上競技選手。走幅跳の元世界記録保持者。ロサンゼルスオリンピック陸上男子三段跳金メダリスト。北海道札幌区(現札幌市)出身。南部は1931年(昭和6年)10月27日には明治神宮外苑競技場(東京)で走幅跳7m98(+0.5)の世界記録を樹立した]。なお、この記録は相当にレベルが高く、80年以上を経た現在でもいまだに日本歴代13位に位置している。故に40年近く日本記録として残り、1970年(昭和45年)6月7日に小田原市城山陸上競技場で山田宏臣(東京急行電鉄)が8m01を跳ぶまで破られなかった。現在でもこの記録をマークすれば、ことによれば日本選手権優勝もありえる。当時は土の助走路でスパイクも旧式であり、現在のタータン(全天候型トラック)とスパイクの性能を考えると、いかに南部の記録が突出していたかがわかる。
◆金栗 四三
日本のマラソン選手、学校教員。青壮年期にオリンピックのマラソン競走に日本代表選手として参加し、また裏方としても各マラソン大会や東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)の開催に尽力したり、日本に高地トレーニングを導入したりするなど、日本マラソン界の発展に大きく寄与したことから「日本マラソンの父」と称される。 1931年(昭和6年)、39歳で故郷の玉名に帰り、学校対抗マラソン大会や駅伝競走を開催するなど、県内外においてマラソン普及に努めた。1936年(昭和11年)には日本での初オリンピック準備のため再度上京し、十文字高等女学校(現・十文字中学校・高等学校)にて教員を務めながら開催準備に奔走するが、日中戦争の戦況悪化のため日本は開催を返上することとなった。
2019年(平成31年)1月6日より、金栗を主人公の一人とした『いだてん~東京オリムピック噺~』がNHK大河ドラマとして放送されている。なお、金栗を演じるのは六代目中村勘九郎である。ドラマの放送開始を控えた2018年(平成30年)12月1日には、熊本県と金栗の出身地でゆかりの深い玉名市、和水町、南関町が金栗の母校である筑波大学(茨城県つくば市)と功績を活用した観光振興やスポーツを通じた教育、地域活性化などに連携して取り組む協定を締結した。『いだてん~東京オリムピック噺~』の放送にあわせ、玉名郡和水町大田黒に「金栗四三ミュージアム」が2019年(平成31年)1月11日から2020年1月13日までの約1年間の期間限定で開館している。また和水町中林の金栗四三の生家も、2019年1月11日から同年12月23日までの期間限定で特別公開されている。筑波大学では『いだてん~東京オリムピック噺~』の放送で金栗四三の才能を見出した「柔道の父」「教育の父」として知られる嘉納治五郎(東京高等師範学校校長)など、大学ゆかりの人物・時代背景などが登場することを記念し、『嘉納治五郎・金栗四三 特別展』を筑波大学体育ギャラリー(つくば市)、筑波大学東京キャンパス(文京区)など複数に会場を分け2019年(平成31年)1月22日から同年12月25日まで同時開催している。『いだてん~東京オリムピック噺~』(いだてん とうきょうオリンピックばなし)は、2019年1月6日から放送のNHK大河ドラマ第58作。