【古写真の調査後売却】人形浄瑠璃・三味線方、鶴澤家、竹内家の人物肖像(鶏卵紙、台紙貼付)

【古写真の調査後売却】人形浄瑠璃・三味線方、鶴澤家、竹内家の人物肖像(鶏卵紙、台紙貼付)

浄瑠璃
三味線を伴奏楽器として太夫が詞章を語る音曲・劇場音楽である。詞章が単なる歌ではなく、劇中人物のセリフやその仕草、演技の描写をも含み、語り口が叙事的な力強さを持つ。このため浄瑠璃を口演することは「歌う」ではなく「語る」と言い、浄瑠璃系統の音曲をまとめて語り物と呼ぶ。文楽は男性によって演じられる。太夫・三味線・人形の「三業」で成り立つ三位一体の技芸である。客席の上手側に張りだした「床」と呼ばれる専用の演奏台の上で、太夫と三味線が浄瑠璃を演奏する。そのことから演奏者そのものに対しても「床」と呼ぶことがある。同じように人形遣いのことを「手摺」と表現して呼ばれる場合もあるが、これは人形遣いの腰から下が隠れる板のことを手摺ということに由来している。床には「盆」という回転機構が設けられている。浄瑠璃演奏の基本形である「太夫1人+三味線1人」が乗れる構造で、2人掛かりの人力で180度回転させることで、舞台の緊張感保持に影響させない登場もしくは演奏者交代が可能となっている。

太夫
浄瑠璃語り。配役にて割り当てられた担当場面の物語を、その太夫が1人で全て語るのが基本形で、情景描写から始まり多くの登場人物を語り分けるが、長い作品などでは途中で別の太夫と交代して務める。「掛け合い」の場合には複数の太夫が並ぶ。浄瑠璃には多くの種別があるが、文楽においては竹本義太夫を創始者とする義太夫節が用いられている。なお、太夫名は、1953年に因会、翌年に三和会が「大夫」と表記を変更したが、2016年に元来の表記である「太夫」に戻した。また「若太夫」のように「太夫」の前が2拍の場合は「たゆう」、「義太夫」「越路太夫」のように2拍以外の場合は「だゆう」と読む。

三味線
浄瑠璃三味線を演奏する三味線弾きのこと。太棹の三味線を使う。座り方は正座であるが、膝を広めに座り両足の間に完全に尻を落としている。響きが重いことから「ふと」ともいう。

人形
人形遣い。古くは1つの人形を1人の人形遣いが操っていたが、1734年に『芦屋道満大内鑑』で三人遣いが考案されたと伝えられ、現在では3人で操るのが普通である。主遣いが首と右手、左遣いが左手、足遣いが脚を操作する。「頭」と呼ばれる主遣いの合図によって呼吸を合わせている。黒衣姿だが、重要な場面では主遣いは顔をさらすこともあり「出遣い」と呼ばれる。非常に特別な演目を除き「出遣い」の場合でも左・足遣いは顔を隠している。ただし、端役の人形は1人の人形遣いが首と右手を操作する1人遣いであり、つめの人形あるいは詰人形と呼ぶ。端役の「出遣い」は行われない。左遣いは差金と呼ばれる棒を用いて人形から少し離れた位置で操作する。左遣いは主遣い・足遣いと違い片手が開いているため道具の受け渡しなどの補助的な役割も分担する。